日本酒の選び方(絵で選ぶ)

日本酒を飲んだことのない人に、どうその味を説明しますか? この質問は、イギリスで日本酒の普及に努める人々が日々頭を悩ませている問題です。そのような中、イギリスを拠点とする日本酒のオンラインショップ、Tengusake.comでは、カラフルで独創的な絵文字を使い、料理に合わせて日本酒を選べるシステムを採用しています。今回はこのシステムについて、また日本語を話さない人々が日本酒について学ぶ手伝いをすることについて、サイトオーナーであるオリバー・ヒルトン‐ジョンソン氏にWeDoJapanからの質問にお答えいただきました。

Oliver Hilton-Johnson of tengusake.com

tengusake.comのオリバー・ヒルトン‐ジョンソン氏

絵文字を使うというアイデアは、どこから来たのですか? さまざまな理由により、入門レベルの上質な日本酒は入門レベルのワインに比べるとかなり高価です。そのため、ちょっと日本酒を飲んでみようかな、と思う人が少ないのが現状です。30ポンドも支払うのですから、どんな味なのかが分からないというのではやはり売れません。そこで日本酒に詳しくなくても、せめて十分な情報の中から選ぶことができるようにしようと思いました。特に、日本語を使用しない人々のためを思って作りました。

tengusake.com

tengusake.com

カテゴリーはどうやって選んだのですか?その選択に迷いはありませんでしたか?カテゴリーは、たくさん考え、これまたたくさん飲んだ末の決断です。(笑)選択に際しては市場調査を数多く実施しましたし、どんな情報が必要とされているのかを調べるためのグループ調査も行いました。しかし日本酒市場は、まだ初期段階にあり、誤解されやすい飲み物でもあります。結局は、自分が役に立ちそうだと感じたパラメーターを考案することになりました。さらには、「フルーティ」、「軽やか」といったカテゴリーを設けることで、日本酒が下品で粗野な飲み物であるというイメージや、風味のキツイ、強い酒だというような、よくある誤解を解くための方法として絵文字を使うことにしました。日本語の用語が無いようですが、「大吟醸」や「純米」などの用語を使っていないのはなぜですか?日本語の表示はウェブサイトと各ボトルにあります。絵文字は、日本酒にあまり馴染みのない人と商品をかみ合わせるためのパラメーターを図形で表したもののため用語は使っていません。その代わり、より日本酒に詳しい人のためには、正式な日本語の商品名、日本語の用語や日本酒度、アミノ酸度、酸度、コメの品種、精米歩合などのすべての情報が、ウェブサイトとボトルから得られるようになっています。

Pictograms for selecting sake

日本酒選びのための絵文字

「特別」な絵文字が表すものとは?基本的に一般的なもの以外のすべてをカバーしています。例えば、古い菩提もと造りや古酒などがこれに当たります。日本酒のブランド名も翻訳したのですか?はい。翻訳は、蔵元と相談しながら行いました。通常の翻訳で十分な場合もありましたが、実際には直訳ではきちんとしたものができない場合の方が多く、場合によっては、元の日本語の名前とは全く別物の英語の名前ができあがることもありました。日本酒のラベルは見た目はそこそこ綺麗でも、なかなか読みやすいとは言えないと思うのですが、日本酒好きの海外の人々のために、蔵元ができることは何かありますか?日本酒のラベルはとてもきれいだと思いますよ。調査によれば、日本酒の魅力の一つには、そのラベルの美しさや異国情緒溢れる字体が挙げられています。蔵元の方々へアドバイスをさせていただくとすれば、西洋化しすぎたデザインのラベルでない方が良いということです。いくつかそういったデザインのものを見たことがありますが、間違っていると思います。日本らしい美しいデザインを保ったまま、少し英語も入れて(少なくとも名前には英語表記を入れるとか)分かりやすくするというのがいいのではないでしょうか。

icons

日本酒選びのための絵文字

日本酒について何か一言お願いします。日本国外で製造されている日本酒の数が少なくないことに関心を持っています。現時点では、専門知識や原料などのレベルがどこよりも高い日本はとても有利な立場にありますが、海外の製造者も腕を上げてきています。この現状に甘んじて(または無関心で)いると、世界市場において海外の生産者に水をあけられてしまう危険があります。トップレベルに到達するためには多くのハードルがあり、現在はまだその状況にはなっていませんが、日本国外の生産者の中には、すでに脅威となりつつあるところもあります。今後の数年間は、特に面白い展開が待っていそうな予感がします。日本国内の醸造所は、どうやって日本酒の品質を守り抜くのでしょうか。アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(フランスのワインやチーズにつけられる生産地域表示)のようなシステムへの移行もあり得るかもしれません。実現には至らなかったものの、以前そうしようという動きはありましたし、今後のことは誰にもわからないと思いますよ!